貴重な水資源!「雨水」の利用方法
- 2016/9/15
- 安全性

水の豊富な日本ではあまり実感することができませんが、世界的に水資源がとても貴重なものになっています。1kgの穀物を生産するのには、1t以上の水が必要なのです。世界的な人口増加に伴い食糧を増産するためには、ますます大量の水が必要になってきます。そのため水をめぐって国家間の紛争が起きているほどです。今回は貴重な水資源を有効活用するために、雨水の利用方法についてまとめてみました。
減り続ける雨水の利用者
水資源を有効活用するためには雨水の利用が欠かせません。一般住宅はもちろんですが、大規模なビルや施設でも雨水の利用が行われています。例えば東京ドームでは屋根に降った雨水を地下貯水槽に溜めてトイレの洗浄水、災害時の消防用水として使用されているのです。雨水の利用は、1994年に日本列島を襲った渇水を契機に利用者が増えました。しかし、ここに来て雨水を利用する人は減り続けているのです。その理由としては、降水量の季節変動や年による変動が大きく確保できる水量が不安定であること、雨水タンクなどの設備を導入するにあたっての設備費がかかること、維持管理するための手間がかかることなどが考えられます。しかし雨水を利用することによって、節水して水道料金を抑えることもできますし、災害時など非常用の生活用水として備蓄することも可能になるのです。また雨水タンクの設置に関しては、多くの自治体が助成金を出していますので、導入コストを抑えることもできます。溜まった雨水はさまざまな用途に使うことができますので、雨水利用にはたくさんのメリットがあるのです。
トイレの洗浄水として利用
雨水タンクに溜まった水は、トイレの洗浄水として利用できます。トイレの洗浄水は下水に流すのが目的ですので、キレイである必要はなく雨水を利用するには最適といえるでしょう。また1回あたりの使用水量も多いので、トイレの洗浄水に雨水を使うと節水効果が大きいといえます。雨水をトイレの洗浄水として利用するにあたっては、雨水タンクからトイレに配管すると便利です。いちいち雨水タンクから水をくむ必要がありませんし、雨水の残量がなくなった場合には水道に切り替えることもできます。雨水タンクの集水器にはフィルターがついていますが、細かいゴミが入ってしまうことも。そのためトイレの仕様によっては濾過器などの設備が必要になる場合もあるので注意が必要です。
洗車用の水源として活用
溜めた雨水は洗車用としても利用できます。洗車は多量の水を使います。1分間に水道から出る水の量は約12リットルです。もし10分間水を出しっぱなしにすれば、120リットルもの水を使用することになります。洗車に雨水を利用すれば大量の節水をすることができるのです。雨水タンクの蛇口をひねってバケツに水を移す方法もありますが、電動ポンプとホースを利用することで勢いよく水を吐き出すことができるようになります。またホームセンターなどで販売されている高圧洗浄機を使えば、自宅を本格的な洗車場にすることも可能です。
ペット用ゲージの洗浄水として
ペットのゲージには、糞や食べ残しのエサがこびり付いていて、キレイにするにはたくさんの水が必要になります。雨水を利用すれば水道の使用量を気にすることなく、たっぷりの水を使ってキレイにすることが可能です。ペットのゲージ洗いに雨水を利用することで節水につながりますし、こまめに洗浄することでペットに快適な環境を与えることができます。
非常時の水源として備蓄
災害などの非常時の場合、水道が止まってしまっても、飲料水は給水車などを使って迅速に提供されます。しかしライフラインが回復するまでは、洗濯のための水やトイレの洗浄水などの生活用水が確保できません。そんなときでも、雨水が備蓄してあれば安心です。雨水を洗濯や洗顔、手洗い、食器の下洗い、トイレの洗浄水などとして使用することができます。このように雨水を備蓄して利用することには、たくさんのメリットがありますので、雨水の利用を検討してみてはいかがでしょうか。