課題はトイレ…世界の子どもたちが衛生的なトイレを使えるように
- 2016/10/4
- 安全性

日本では水洗トイレが至るところで整備されています。しかし、世界ではどこでも衛生的なトイレを使えるとは限りません。とりわけ発展途上国ではトイレの衛生に悩まされています。具体的にどの地域でどのような問題が起きているのかいるのでしょうか。現状を交えながらについて考えてみましょう。
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衛生的な水源不足はアフリカに集中している
アフリカといえばサバンナを思い浮かべますよね。サバンナの気候をステップ気候といいますが、日本などに比べて雨が少ないために干ばつの被害を受けやすくなっています。そのため水源が不足することになってしまいます。年によっては雨が非常に少ない年もあります。雨が全く降らない間の水不足を乗り切るためにも水源を確保しなくてはいけないのですが、現状は厳しいものです。せっかく水源を確保しても、しばらく雨が降らなければ干からびていくばかりとアフリカの気候はなかなか厄介です。
安全な水を利用できる人は増えている
水源は少ないものの、きれいな水を飲める人は増えています。これは青年海外協力隊やJICA、NGO、ユニセフといった支援によって安全な水源が整備されていることによるものです。支援は続けられることにより、年々多くの人がきれいな水を使えるようになっていっています。安全な水源の整備は、不衛生な水によって引き起こされる下痢やコレラなどの伝染病が減ることにもつながっています。水源不足とはいえ、水の問題がまったく解決されていないというわけではありません。
アフリカや南アジアでは衛生的なトイレが利用できない
水不足はアフリカのみならず、水に乏しい南アジアでも問題になっています。トイレの水を流すことによって衛生が保たれますが、水不足だとこれが十分に行えません。そのため、水洗トイレの整備は難しくなっています。水洗トイレが整備できないだけではなく、トイレの後に手を洗うことも難しいようです。トイレを利用したまま手を洗わずに食事なんてことにもなりかねません。このように衛生的なトイレが利用できないと食生活にも良くない影響が出てきます。
トイレの遅れは貧富の差や風習が原因のひとつ
同じアフリカでも先進国に住むお金持ちの人もいれば、発展途上国で貧しい暮らしを強いられている人もいます。このような貧富の差があることがトイレの遅れの原因にもなっています。今後の課題には裕福な家庭のみならず、貧しい家庭への衛生的なトイレの普及が挙げられます。さらに水洗トイレが普及した日本では考えられませんが、用を足した後でトイレの水を流さないという昔からの風習が今なお残っている地域もないとは言えません。衛生的な面を考えると風習の撤廃が望ましいのですが、すぐにというのは難しそうです。長きに渡って続いて来た風習を変えるのには、またしばらく時間がかかるでしょう。支援組織などが中心となって、トイレの衛生の重要性を伝え続ける必要があります。
衛生的な水源とトイレの両立が課題
「安全な水を利用できる人は増えている」ことからは、水不足に悩まされながらも衛生的な水源はある程度確保できています。しかし、貧富の差や風習などによって衛生的なトイレはまだまだ普及していないのが現状です。今後は衛生的な水源を確保しつつ、トイレの衛生の指導や整備に力を入れなくてはなりません。衛星的な水源とトイレの両立によって、アフリカや南アジアのトイレ事情もだんだんと解決に向かうでしょう。トイレの整備には呼び掛けだけではなくお金も必要ですので、街頭で募金活動を行う団体も少なくありません。ひとりひとりのお金が集まって大きな力になります。ほんの少しでもいいので協力したいですね。