浄水器で水がキレイに美味しくなる仕組み

3.浄水器で水がキレイに美味しくなる仕組み

かつて、日本の水は世界一安全と言われていました。確かに、高い殺菌力によって感染病の危険がほとんどないという点においては、間違いではありません。しかし、最近では、塩素やアルミなど、水をきれいにするために投入されている物質自体の危険性が指摘されています。また、原発事故によって、通常の方法では除去できない放射性物質の問題もクローズアップされるようになりました。そこで、急速に普及が進んでいるのが浄水器です。しかし、浄水器にもさまざまな種類があり、どれがよいのか悩んでいる方も多いでしょう。そこで、浄水器を3つのタイプにわけ、それぞれの仕組みについて説明します。

フィルタ式浄水器の仕組み

フィルタ式は浄水器の中でも最も原始的なもので、要するに、ろ過材を通して微小な物質を取り除いていくというものです。かつては、ろ過材と言えば活性炭だけでした。活性炭は、表面に無数の隙間がある特殊な炭で、水を通すとその隙間に不純物が吸着します。しかも、有毒で臭いが気になる塩素を水素イオンと塩素イオンに分解する性質も持ち合わせているのです。

しかし、隙間が吸着物でいっぱいになるまでの期間が短く、頻繁にフィルタを交換する必要があります。しかも、殺菌作用のある塩素が除去されてしまうため、長期間使い続けていると隙間に詰まった不純物の中でカビや細菌が繁殖して危険です。

そんな活性炭フィルタの欠点を補うために開発されたのが、中空糸膜のフィルタです。中空糸膜はストロー状の膜を束ねたもので、ストローの穴の中に侵入することは容易ですが、出口が閉じられており、細菌やカビ、赤サビなどはそこから脱出することができません。一方、水やミネラルは、細菌よりも微小な隙間を通り抜けていくので、安全で美味しい水を飲むことができるわけです。

現在の浄水器は、活性炭と中空糸を組み合わせたものが一般的です。ただ、このタイプの浄水器も完璧ではなく、重金属や環境ホルモン物質、ウィルスなどは除去することができません。

浸透圧式浄水器の仕組み

フィルタ式の欠点を克服したのが浸透圧式浄水器です。これは、動植物が水を体内に取り込む仕組みを応用したもので、その基本システムはNASAによって開発されました。

イオンや分子だけが通過できる半透膜で濃度の高い液体と濃度の低い液体を仕切ると、水分子は低い側から高い側に流出していきます。しかし、濃度の高い液体に外部から浸透圧を越える圧力を加えると、逆に、水分子のみが濃度の低い方に移動します。浸透圧式浄水器は、この性質を利用して水道水をきれいな水と不純物が濃縮された水に分離するのです。この浄水能力はすさまじく、水の中に溶け込んでいるほぼすべての物質を除去することができます。もちろん、気になる放射性物質を取り除くことも可能です。ただ、高性能故の欠点もあります。

浸透圧式浄水器は、本格的なものになると高額になるので、気楽に購入できる商品ではありません。しかも、分離した水の内、不純物が濃縮されたものは廃棄するのでかなりの無駄が生じます。また、浄水能力が高い分、きれいな水を作り出すには恐ろしく時間がかかり、並行して調理作業などをすることはほぼ不可能です。そのため、浄化した水を貯めておかなければならないのですが、専用のタンクを設置するのにかなりの場所をとります。さらに言えば、浸透圧式浄水器は水中のミネラルも除去してしまうので、そのまま飲んでもあまり美味しくありません。

このように、浸透圧浄水器は安全面では非の打ちどころがありませんが、一般家庭に導入するには少々ハードルが高いと言えるでしょう。

電気分解式浄水器の仕組み

電気分解式浄水器の特徴は、水そのものの性質を変えてしまうことです。水は電気分解すると陰極側でアルカリ性になり、陽極側では酸性になります。その性質を利用して、アルカリイオン水や酸性水などを作り出すのです。アルカリイオン水は体に良いとされ、特に胃酸過多の方には効果的です。一方、酸性水は洗顔や体を洗うのに使用すると良い効果を得られます。微妙に水の性質を変えることで、さまざまな味を楽しめる点もメリットのひとつでしょう。

しかし、体に良いといっても消化器官が未発達な赤ん坊に飲ませると危険など、電気分解式浄水器で作った水は取り扱いに気をつけなければいけない面があります。また、電気分解自体には浄水機能はありません。浄水はフィルタに依存しており、水をきれいにする能力に関しては、フィルタ式浄水器と全く同じです。

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