硬水を使用した日本酒の特徴とは?

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今や私たちの生活に欠かせないものとなったミネラルウォーター。その種類が軟水と硬水に分けられることも、多くの人が知る事実となりましたよね。軟水は飲みやすく、硬水は飲みにくい。これが一般的な反応だと思いますが、実はその飲みにくい硬水が日本酒に使われているって知っていました?軟水と硬水の使い分けで、日本酒の味はどのように変わるのでしょうか?

硬水と軟水でどう味が変わる?

日本酒の製造に欠かせないものが3つあります。お米、水、酵母です。実は酵母を活性化させ、発酵を進みやすくするためには、水中のミネラルが必要となるのです。ということはつまり、硬度の高い水=硬水ほど、発酵が進みやすくなる、というわけ。硬水で作られる日本酒は、しっかりとした味わいでコクのあるタイプになると言われています。一方、軟水からできる日本酒は、口当たりが柔らかくなめらかで、さっぱりとした軽い味わいが特徴となります。どちらが良い、というわけではありませんが、使用する水の硬度によって、日本酒の味わいも大きく異なる、というのは面白いですよね。

日本のどんなエリアで硬水が流れているの?

ヨーロッパには硬水が多く、アメリカ合衆国では地域によって軟水・硬水に分かれる。では日本の硬水・軟水の分布はどのようになっているのでしょうか?
日本の水のほとんどは軟水だと言われますよね。ですが、一部の地域では硬水に近い水が流れているところもあります。東京を含む関東地方、それに沖縄諸島、宮古列島などの南西諸島がその代表的な地域といえるでしょう。特に沖縄本島では、上水道に硬水が供給されているため、水道水は硬度を下げる処理がなされています。
硬水に含まれるカルシウムやマグネシウムは、地下の岩石から時間をかけて溶け出したもの。そのため日本のような島国では、滞留する年数が短く、地下水の硬度は低くなる傾向があるようです。他にも、石灰岩の地層なのか火山性の地層なのかによっても、硬度は変わってきます。さまざまな要因から、日本では軟水の地域が多くなっているのです。

兵庫県の灘の酒は硬水使用の代表格

灘の酒蔵は、古くは室町時代から酒の名所として知られている、日本一とも言える酒どころ。現在も多くの酒蔵が軒を連ねており、伝統の味を守り続けています。
そんな灘の酒を作るのに使っているお水が、硬水であることは案外知られていないかもしれません。その水は灘の宮水と呼ばれ、兵庫県西宮市内のごく限られた地域の地下から組み上げられています。夙川の伏流水と、六甲山の花崗岩を通り抜けてきた水に、塩分を含んだ海水が微妙に混じり合って湧いた水と考えられており、その硬度は中硬水(61-120mg/l)に位置付けられています。これは、軟水の多い近畿地方では珍しい硬度で、関東地方の水と同程度の硬度なのです。
宮水の特長としては、豊富に含まれているミネラルだけでなく、鉄分の少なさと塩分含有量も挙げられます。ミネラルといっても、その全てが酵母の発酵に役立つわけではありません。カルシウムやマグネシウム、リンなどのミネラル分は、酵母の餌となってもろみの発酵を促しますが、一方で鉄分は酒の色や香りを劣化させてしまいます。宮水は鉄分の含有量が0.001ppmと非常に少なく(日本の水の鉄分含有量はおよそ0.02ppm)、その点でも酒作りに適した水なのです。
また、酒造りの水には少量の塩分の含有が好まれるようですが、この点でも宮水は優れており、まさに「酒造りのための水」といっても過言ではないでしょう。日本各地にはその他にも、その地の水質に合わせた上質な日本酒が数多く製造されています。土地の水質を考えながら日本酒を味わうのも、また一興かもしれませんね。

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