地表に豊富に存在する海水を飲み水にできない理由とは?

地表に豊富に存在する海水を飲み水にできない理由とは?

日本でも雨が降らないと節水が呼び掛けられますし、世界中には飲み水の確保に苦労している国もあります。地球の表面の7割程度は海水で満たされていますので、これを飲み水として使用できれば水不足など起きないはずです。しかし、海水は飲み水にできません。なぜでしょう?その理由などについてお伝えします。

 

 

海水を飲み水として使用できない理由とは?

海水を飲み水として使用できない理由を理解するには、人間が生きていくための浸透圧、塩分濃度などの仕組みについて知る必要があります。人間が生きるためには、適切な浸透圧が必要です。浸透圧を一定に保つために、腎臓に塩分濃度を調節する働きがあります。塩分濃度が高まると浸透圧が変化してしまうため、濃度を薄めるために脳は水分を欲する信号を出します。その結果、水が補給されると腎臓が働き塩分が排出され浸透圧が元に戻るのです。ただし、同じ水でも海水の場合は飲み水と比較して塩分濃度が高いです。もし海水を摂取し続けると、人間に必要とされる塩分濃度を超えた水が体内に吸収されることになり、塩分濃度を下げることができず、最終的には、水分を確保するために尿が出ない状態になってしまいます。こうなると、体内に溜まった毒素を排出することができず、生命は危険な状態になってしまいます。そのため、喉がかわいても海水を飲んではいけないのです。つまり、海水は人間にとって欠かせない水資源とはいえないということです。淡水がいかに貴重なものであるか、水資源を大切にすることがいかに大事かが理解できるでしょう。

 

 

元は海水が蒸発したものである雨はなぜ超軟水なのか?

人間の生活用水は、もともとは雨水です。雨水を蓄えた湖や山林から流れてくる淡水の川などから取水されています。そして、この雨水は、上水道施設によって水道水に変えられ、各家庭に送られています。では、水道水と雨水では硬度などの成分が違うのでしょうか?実は、雨水は水道水と比較するとかなり硬度が低いといわれています。硬度とはカルシウムやマグネシウムの量を指します。この硬度が高いと硬水、低ければ軟水と呼ばれます。つまり、雨水は超軟水といえるのです。カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が水道水に含まれるのは、雨がいったん山林などに降り、岩石などからミネラルを吸収するからです。雨水自体は、海から蒸発したいわば蒸留水ですから、ミネラル分などはほとんど含まれていません。そのため、雨水は超軟水になるのです。ただし、雨が降り始めた初期の水には不純物が多く含まれているため、超軟水とまではいえないようですが、降り始めからしばらくたった雨水は、蒸留水に似たきれいな水質の水です。

 

 

中東では海水を淡水に変えて飲み水にしている

海水を飲み水に変えることができれば、水不足は一気に解消できます。しかし、日本はそこまでしなくても十分な水資源がありますので、海水を飲み水に変えることはほとんど行われていません。しかし、中東などあまり雨が降らず水資源が不足している国では、海水を淡水に変えて、飲み水などの生活用水を確保している国があります。逆浸透の海水淡水化技術などの進歩によってそれが可能になってきているのです。特殊な膜を使用して塩分を除去するこの技術の進歩には日本企業も貢献しています。中東などには、海水淡水化の巨大プラントが建設され、そこに住む人の貴重な水資源の確保に利用されています。世界中の海水淡水化プラントの約3分の2が中東にあるともいわれていますので、いかに水資源の確保が大変な地域であるかがわかるでしょう。また、近代になって水が不足してきた原因は、人口増加や経済の発展により水の消費量が増加したことにも原因があるようです。淡水化による水資源の確保と同時に、節水の意識や技術革新も大切だといえるでしょう。

出典:「日本水フォーラム」「ヌエバトゥリブナ電子紙」「CNN」

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