発展途上国の水問題に対して日本ができることは何?!

発展途上国の水問題に対して日本ができることは何?!

日本は気候にも恵まれ、水がとても豊かな国だといわれています。必要な時に安全に水が飲め、必要な分だけ使うことができる。水を使うことは日常化しており、使えないことの方が想像しにくいのではないでしょか。しかし世界では今、水不足問題が深刻化されています。水資源をめぐる国際問題から、水質汚染による感染病など、水に苦しむ国がたくさんあります。上下水道の技術や知識が高い日本、そんな諸国に対しどんなことができるのでしょうか。

 

世界で今、深刻な水問題

 

WHO(世界保健機関)によると、世界では実に12億人以上の人が、安全な水を飲めていません。24億人以上の人は、下水道の衛生施設のない環境下で生活をしています。水問題が専門の沖大幹東京大学教授によると、世界では毎年180万人の子供が不衛生な水が原因で命を落としています。元世界銀行副総裁セラゲルディン氏によると、今後、水資源をめぐる国家間の紛争は、石油資源をめぐる国家間紛争よりも確実に多くなるそうです。

日本では、あまり意識することはありませんが、世界ではとりわけ発展途上国では、水をめぐる諸問題はとても深刻です。国連によると、2050年には世界の人口は90億人を超えると推計されています。発展途上国の経済発展に伴い、ますます水需要は増大するでしょう。また、地球温暖化に伴い、雨の降り方が変われば、水をめぐる紛争も今よりも増えるでしょう。世界では、水をめぐる諸問題はとても深刻なのです。

 

深刻な感染症の予防が可能

とりわけ深刻なのが、下水対策と水質汚染対策です。安全な水を飲むことができないことで、世界中で多くの人が、下痢や伝染病などの病気にかかりやすくなってしまいます。また、手洗いやうがいを満足にできないことで、日本では簡単に予防できる感染症が、多くの人の命を脅かすほど広まってしまっています。日本は、世界でも有数の上下水道施設を持っています。安全な水を供給できるインフラを整備することに長けています。日本全国どこでも、蛇口をひねれば安全な水を飲むことができます。これは世界的にも稀な事です。しかしながら、日本でも戦前は、安全な水がないことで多くの人が病気にかかっていました。今、世界の発展途上国では、安全な水を飲むことができないことで、多くの人が命の危機にさらされています。安全な水に関わる日本の経験と技術を提供することは、世界の水問題の解決に非常に有益な国際援助活動だと言えます。

 

女性の社会進出や子供の就学が進む

発展途上国の中でも、とりわけアジアアフリカにおいて水問題が経済発展の重い足かせになっている理由の一つに、「水汲み」があります。日本では想像しにくいことですが、水問題に苦しむ発展途上国では、水汲みは子どもや女性の役割です。近所に井戸や川がない村では、水汲みだけのために一日何時間も時間をかけなければいけません。水がなければ生きていけないからです。当然、子どもは学校に行けなかったり、行けたとしても満足に勉強する時間を確保することができません。また、女性は水をやりくりすることだけで一日が終わってしまい、社会に出て働くといったようなことはとてもできません。他の仕事をできた時間が、「ただの水汲み」で終わってしまうのです。安全な水を飲めない問題の本質は、人々の健康の問題だけでなく、水を汲みに行く人の時間を奪うところにあります。村に井戸を掘ってあげる支援活動は、発展途上国にとって、21世紀となった今でも最も重要な支援の一つです。それは、水汲みに明け暮れる子どもに、勉強の時間を提供し、それが広がることで国を発展させる優秀な人材が育ち、結果、国が経済発展する下地となることを知っているからです。安全な水へのアクセスを確保することは、子どもの就学と女性の社会進出のために必要なことです。

 

 どこでも水が使えれば安く買える

実は、発展途上国にとっては、水へのアクセスを解決してももう一つ大きな問題があります。それは水の価格です。上水道施設のある地域とない地域の水道価格の差を調べた調査では、上水道施設の無い地域の方が、ある地域に比べて何倍も高い価格を払っていることが分かりました。これは、水を運ぶためのコストが乗っているからです。水はあるだけではいけないのです。どこでも使えるようにしなければ、価格がどんどん上がってしまうのです。水を届けるインフラ基盤を整えるためには多くのお金がかかります。水道管を全国津々浦々まで張り巡らすには莫大な投資が必要です。しかし、安全な水がどこでも使えるようになれば水の価格は適正な水準に下がります。貧しい人にとっても適正な水準にまで下がれば、水を汲みに行くよりも買う(=水道料金を払う)方が良くなります。安全な安く買えるインフラを整備することは、とても大切な事です。その証拠に、2002年のヨハネスブルクサミットでは、2000年に国連総会で採択された「ミレニアム開発目標」への追加事項として、「2015年までに適正な水道衛生施設を持たない人口の割合を半減させる」という目標が追加されました。

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